ここでは、HTTPS(セキュア Web プロトコル)について解説します。HTTPS の末尾の「S」は、「セキュア」を意味します。 HTTPS では、Web サイトの認証や通信の暗号化を行います。Web サイトの認証により、アクセスしている www.apple.com が偽物ではなく、本物であることを確認できます。HTTPS は当初、ログインをはじめ、オンラインバンキングやオンラインショッピングなどの機密性の高いオンライン取引を保護するために使用されていました。しかし最近では、あらゆるところで HTTPS の使用がデフォルトになっています。
HTTPS は、公開鍵暗号と呼ばれるテクノロジーに基づいています。Web サイトでこれを利用できるようにするためには、認証局によって認証された公開/秘密鍵のペアが必要です。公開鍵暗号の仕組みについては、ここでは説明しません。
では、いつもの例を使って、今回は HTTPS について解説します。ステップ 1 は前回と同じです。住所を入力するか、リンクをクリックします。
ただし、ステップ 2 に進む前に、新しいステップを加える必要があります。これをステップ 1.5 とします。このステップではブラウザーと Web サーバーで、メッセージのやりとりや非常に特殊な計算など、暗号化に関する一連の処理が行われます。このときに、Web サーバーの公開/秘密鍵のペアが使用されます。これにより Web サイトが認証され、セッションキーと呼ばれる 2 つの新しいキー(クライアント用とサーバー用)が作成されます。セッションキーは、メッセージの暗号化や復号化で使用されます。
これらの暗号化機能は TLS(トランスポート層セキュリティ)と呼ばれるプロトコルによって実行されます。TLS は、現在非推奨の SSL(セキュア・ソケット・レイヤー)の後継です。
これで、ステップ 2 に進むことができます。仕組みは前回と同様です。ただし、要求メッセージが作成されると、そのまま送信されるのではなく、セッションキーで暗号化されます。その後、暗号化されたメッセージが Web サーバーに送信されます。Web サーバーでは、メッセージを受信すると、セッションキーでメッセージを復号化して読み取ります。
ステップ 3 の応答メッセージも同様です。応答メッセージの作成後、Web サーバーはセッションキーでメッセージを暗号化して、ブラウザーに返します。ブラウザーは、メッセージを受信すると、セッションキーでメッセージを復号化して読み取ります。
最後のステップ 4 も前回と同様です。ブラウザーが応答をレンダリングし、Web ページが表示されます。
南京錠のアイコンは、Web サイトの安全な接続と認証を示しています。
要求/応答メッセージは Web サーバーをどのように行き来しているのか、疑問に思うことでしょう。それは、インターネットプロトコル(IP)です。次の解説のテーマとなります。 IP アドレスとは