Deakin University がデジタルキャンパスに転換

1974 年創立の Deakin University は、オーストラリアの公立大学として、世界水準の教育プログラムと生涯学習および研究機会を提供しています。今では、メルボルン、ジーロング、ワーナンブールに 4 つのキャンパスを擁し、海外からの留学生数千人を含めた学生数は毎年 61,000 人以上、スタッフ数は 8,000 人という規模に成長しました。同大学の研究および授業は国際的な評価が高く、世界の大学学術ランキングの上位 1% に入っています。また、提供している学習体験もオーストラリア随一との定評を得ています。この評価をもたらしている要因の 1 つが同大学の充実したオンライン学習です。

新型コロナウイルスの爆発的流行により、Deakin University は急きょ全学生およびスタッフの学習と勤務をオンライン化する必要に迫られました。先見の明によりすでにデジタル投資を進めていた同大学は、この状況にすぐに対応し、長年のパートナーである Akamai のサポートにより世界各地のユーザーにシームレスな体験を提供しています。

69,000 人を超えるユーザーの学習と勤務を即座にオンライン化

Deakin University は、2011 年という早い時期から、オーストラリアで大学のデジタル開拓を牽引するというビジョンと計画に着手しています。実際、最近は同大学のクラウド上のキャンパスが拡大し、主にオンラインで学習する学生が 15,000 人を超えました。

Deakin University では、すべてのコースにオンライン授業の選択肢が設けられていましたが、COVID-19（新型コロナウイルス）の流行を受け、すべての授業とリソースをすぐにオンラインに移行しました。さらに、デジタルを自らの遺伝子とする同大学は、今後数年間を見据え、この機会にデジタル学習モデルへの投資を増やすことにしました。同時に、海外からの留学生の割合も多いため、こうした学生に可能な最良の体験を提供することで、学生数の減少を最小限に抑えたいと考えました。

「すでにデジタル機能に多くの投資を行ってきましたので、今回の移行はスムーズに進むと思いました。つまり、世界中の学生、教職員、その他の所属する人々に最高のサービスを提供できるようになることがわかっていたのです」と、同大学の Deputy Chief Digital Officer、Craig Warren 氏は説明します。

同大学が特に望んでいたのは、今後見込まれる動画ストリーミングと大容量ファイルダウンロードの需要増にあらかじめ対応しておくことでした。Warren 氏によると、学生は最低料金のインターネットプランを選ぶか、または携帯電話をホットスポットとして使用する傾向があるため、大学側でメディアとダウンロードの配信を高速化する対策が必要でした。

信頼できるパートナーの活用

ここ数年、Deakin University はいくつかの Akamai ソリューションを導入し、オーストラリアはもちろん世界各地から同大学のコースやその他のリソースにアクセスするユーザーに、高速で安全なデジタル体験を提供してきました。「コアテクノロジーの基本要素はすでに構築されていたので、短期間での達成が求められる状況にあっても心配はしませんでした。しかし、海外にいる学生による動画ストリーミングとダウンロードが今後急増すると見込まれたので、Akamai のサポートでこれに対応することにしました」と Warren 氏は述べています。

Deakin University との長年にわたる緊密な連携関係により、Akamai はすぐに適切な製品を提案できました。それが Adaptive Media Delivery と Download Delivery です。Adaptive Media Delivery は、画面やネットワークの種類（固定／モバイル）を問わず、さまざまな接続速度に対応し、安定した高品質の動画再生体験を提供します。Download Delivery は、ファイルベースのコンテンツ配信ソリューションで、インターネットを通じた大容量ファイルコンテンツの高速配信を最適化します。

「オンライン体験はラストマイルの接続とインターネットの帯域幅に大きく左右されます。そのため、あらゆるタイプのインターネット接続で最良の体験を提供できるようにする必要がありました。Akamai との関係がなければ実現できなかったと思います」と Warren 氏は語ります。

デジタル体験のスケーラビリティとセキュリティの確保

オンラインでリソースにアクセスするスタッフや学生が何万人も増えるため、同大学は、これまでにない規模のトラフィックやダウンロードをサポートするための対策に着手しました。Akamai Intelligent Edge Platform 上に実装されたソリューションを組み合わせることで、このようなオンライン視聴者の拡大に対応する基盤が整いました。

Warren 氏は、完全なリモート学習とテレワークにスムーズに移行できたのは Akamai との強力なパートナーシップがあったからだと考えています。「パフォーマンス、メディア、セキュリティ対策として Akamai のソリューションを活用しているので、ビデオ会議や学習管理システムなどのリソースへのアクセスで障害が発生したことはありません」と Warren 氏は説明します。

たとえば、中国にいる Deakin University の学生は、これまで、1～2 GB の授業をダウンロードするのに、何分も（ときには何時間）もかかっていましたが、Akamai ソリューションの実装後は、平均 20 秒でアクセスできるようになりました。

「このような事態では、業界大手がそのステータスを高めることもあれば、失うこともあります。当大学の強みと差別化要因はオンラインコースであり、今回確立した安全かつ高速な配信基盤は今後数年間にわたり私達を支えてくれます」と Warren 氏は締めくくっています。