Educational Testing Service 

進化するオンライン環境への対応

1947 年設立の Educational Testing Service（ETS）は、教育テストおよび評価を専門とする、世界最大の非営利民間組織です。教育テストを通じて、教育の質と公平性を世界中で推進することを使命としています。ETS は、180 か国以上を対象に年間 5,000 万件以上のテストを開発、管理、採点しています。

他の業界と同様、教育市場も紙と鉛筆からオンライン環境へと急速に移行しています。ETS はこれに対応するため、Web サイトとアプリケーションを提供、保護、最適化するための方法を常に進化させています。同組織が取り扱う教育アプリケーションは、テストの登録、提供、管理用のアプリケーションから、オンラインライティング評価用のアプリケーションまで多岐にわたります。

ETS の Business Technology Director、Fred Manno 氏は次のように述べています。「私たちはすべてをオンラインで行っています。数年前に初めて Akamai のソリューションを導入した際は、コンテンツの提供とパフォーマンスに主眼を置いていました。しかし現在は、オンラインで事業を推進するあらゆる組織と同様、セキュリティを重視しています」。

アプリケーションパフォーマンスの最適化から着手

ETS がオンライン上でのアプリケーション提供を開始した当初、すべてのアプリケーションを東海岸のデータセンターに収容していました。そのアプリケーションの 1 つがオンライン・ライティング・ツールです。このツールは米国のさまざまな州で問題なく使用されていました。しかし、ネバダ州クラーク郡の学区（全米最大規模の学区）が使用を開始したところ、パフォーマンスが標準レベルに達しませんでした。東海岸のユーザーと比べて、ページの更新に 2 倍もの時間がかかりました。許容できないほど遅かったのです。

そこで、Manno 氏はインターネットの遅延に関する問題について徹底的に調査しました。その結果、全米規模の IP ホップや、通信プロバイダーが採用するトラフィックルーティング戦略がアプリケーションのパフォーマンスを低下させる場合があることが判明しました。

そして慎重に吟味した結果、Manno 氏は Akamai Web Application Accelerator（WAA）サービスを選択しました。ETS は、西海岸にデータセンターを開設する代わりに、WAA を活用して Web アプリケーションを高速化することを選びました。これにより、ETS はデータセンターの新設を回避することで、数十万ドルのコストを節約できました。また、ヘルプデスクへの問い合わせ件数を 90% 削減し、スタッフがネットワークロケーションのモニタリングに費やす時間を短縮することにも成功しました。そして何より、世界中でユーザー数を増やすことができたのです。

最新のセキュリティ課題への対応

Akamai ソリューションの成果に満足した Manno 氏は、サイトやアプリケーションに関するその他のニーズについても Akamai の利用を進めていきました。Akamai Ion がリリースされると、ETS はすぐにこれを導入しました。デバイスの種類やネットワークの状態に応じて Web サイトとアプリケーションのパフォーマンスをインテリジェントに最適化するソリューションです。

前述のとおり、ETS の最近の優先事項はセキュリティです。オンラインで事業を展開する他の組織と同様、ETS もセキュリティ上の脅威にさらされる機会が増えています。そこで、ETS は複数の Akamai ソリューションを導入し、組織のネットワークが被害を受ける前に攻撃を未然に緩和しています。

たとえば、Akamai 独自の最先端リスク分析エンジンでソース IP アドレスごとのスコアを計算して悪性のクライアントを特定する Kona Site Defender および Client Reputation です。その後、ETS は Managed Kona Site Defender Service にアップグレードしました。これは、Akamai が提供する、事前対応型かつ完全管理型のセキュリティサービスです。

「Kona の管理を Akamai に任せることで、当組織の限られたスタッフを、より喫緊のセキュリティ課題に専念させることが可能になりました」と Manno 氏は述べています。

長期的関係の利点

Manno 氏が述べているように、ETS は再三にわたって Akamai を利用しています。それは、単に特定のソリューションが必要だからではなく、Akamai との関係自体に価値を見出しているためです。「私たちにとって、Akamai は信頼できる戦略的パートナーです。Akamai の営業担当者や技術担当者と定期的に会うことで、Akamai のソリューションと私たちのニーズの接点を把握しています。Akamai の担当者とは常に誠実かつ明快なコミュニケーションを図ることができています。そのため、Akamai が最新のソリューションをリリースしたら、いち早く導入しています」。

ETS は Secure Internet Access Enterprise についても、いち早く導入しました。このソリューションにより、ETS のユーザーやデバイスは、マルウェア、ランサムウェアフィッシング、データ窃盗などの脅威に組織をさらすことなく、どこからでも安全にインターネットに接続できます。Manno 氏は、Akamai とのやり取りを通じて、DNS の設定を変更するだけで Secure Internet Access Enterprise を ETS の既存のセキュリティツールに迅速かつ簡単に追加できることを知りました。

「この問題を Akamai のソリューションで解決できるとは思っていませんでした。だからこそ、Akamai との緊密な関係には計り知れない価値があるのです。Akamai は最新のニーズに対応するためのソリューションを絶えず開発してリリースしています」と Manno 氏は言います。

ビジネスニーズとグローバル展開への対応

普段、ETS の職員が Akamai のサービスを意識することはありません。しかし、その価値は十分に認めています。Manno 氏によると、ETS のアプリケーションがどの州でも最適かつ一貫したパフォーマンスを維持するためには Akamai のサービスが不可欠であることを、ETS の業務部門は理解しています。「業務部門は、私たちのサイトとアプリケーションが、常に稼働し、優れたパフォーマンスを発揮し、セキュリティ攻撃に耐えていることを理解しています。そして、それが Akamai のおかげだということも理解しています」。

これまでに、ETS はアプリケーションの約 80% を Akamai プラットフォームにオフロードして、インフラ要件を削減しています。「これにより、アプリケーションを AWS クラウド環境に移行するための作業を簡素化して、コストを削減することができました。また、アプリケーションを AWS から Akamai にオフロードして、デジタル変革を進めることで、さらなるコスト削減も期待できます」と Manno 氏は述べています。

Akamai は、オンライン・ライティング・ツールに加え、TOEFL® と TOEIC® のグローバル展開についても ETS を支援しています。「私たちは、世界中のテストセンターで数百万ものテストを提供しています。すべてのテストセンターが高品質のインターネット接続を備えているわけではありません。しかし、Akamai のエッジパフォーマンスとルート最適化があれば、エンドユーザーによるテスト登録やテスト実施のパフォーマンスを大幅に強化できます」と Manno 氏は言います。

ETS は引き続き、Akamai の ゼロトラスト・セキュリティ・モデルを活用して、Enterprise Application Access を展開し、ネットワークセキュリティの取り組みを推進したいと考えています。「Akamai との長期的な関係のおかげで、最新のテクノロジーやトレンドにも対応できています」と Manno 氏は締めくくります。

ETS について

ETS は、厳格な調査に基づいて評価を作成することで、世界中の人々の教育品質の向上と公平性の発展に努めています。ETS は、教員認定、英語教育、初等・中等・中等後教育向けにカスタマイズされたソリューションを提供し、さらに教育調査、分析、政策研究を実施することで、個人、教育機関、政府機関をサポートしています。1947 年に非営利団体として設立された ETS は、180 以上の国や地域、全世界の 9,000 以上の拠点で、TOEFL^® および TOEIC^® 試験、GRE^® 試験、The Praxis Series^® 評価など、年間 5,000 万件以上の試験を開発、管理し、採点を行っています。 www.ets.org