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次世代の読者に向けた高パフォーマンスのデジタル雑誌
オンライン出版物に対するトラフィックの急激な増加に直面していた Editoriale Domus は、高速化と応答性の向上を図り、デジタル関連の収益向上、コストの削減、デジタル雑誌の絶え間ない進化に弾みを付ける必要性に迫られていました。出版社として印刷版の雑誌を十数誌手掛けていましたが、オンラインコンテンツに対する読者の需要の高まりに応える形で、徐々にデジタル化を進めていました。購読者を獲得し、広告収入の増収を図るうえで Web サイトのパフォーマンスが大きなウェイトを占めるという認識に立ち、トラフィックが増加してもリッチでダイナミックなコンテンツのデジタル体験を高速でシームレスに提供できるようにするために Akamai を採用することにしました。
製本版でもデジタル版でも体験は重要
Editoriale Domus は、1929 年に初めて製本版の雑誌を発刊しました。この雑誌は、上質なコンテンツと体験を届け、未来の道しるべになろうとする同社の使命の第一歩となるものでした。長年にわたり、創造性と革新性を追求してきましたが、読者の嗜好の変化に合わせて、建築やデザインだけではなく、交通、旅行、料理も取り上げるようになりました。現在、十数誌ほどの定期刊行物を刊行しており、代表的な自動車関連出版物である Quattroruote、登山の専門誌である Meridiani Montagne、社名の由来にもなったデザイン誌の Domus、時を超えて愛されている料理本シリーズである Il Cucchiaio D'argento などの刊行物を手掛けています。製本版の雑誌は何万人もの読者に愛読されており、ほぼ一世紀前と同じように、今なお多くの読者が雑誌売り場で購入しています。
しかし、時代は変わりました。より多くの人がオンラインコンテンツを読むようになり、読者がアクセスするところに広告収入が発生するようになりました。Editoriale Domus は、新世代のカーマニア、アウトドア派、料理愛好家をターゲットに絞り、過去 10 年間にわたって雑誌のデジタル化を進め、オンライン定期購読サービスを提供し、人を惹きつけるリッチでダイナミックなコンテンツを次々と出してきました。同社のベストセラー雑誌である Quattroruote 誌のデジタル版には、深く踏み込んだ記事、高解像度の写真、インタラクティブなコンテンツ、最新の自動車の魅力的な動画レビューなどが満載されています。読者は記事にコメントを付けたり共有したりできるため、多くのエンゲージメントが生まれています。このコンテンツは、新しい自動車を購入しようとしている消費者だけでなく、カーマニア全般に受けが良く、心ゆくまでサイトを見て回り、新しい自動車に乗ったときのワクワク感を味わうことができます。
そのような読者の気持ちが離れていかないようにするためには、処理が遅れたりタイムアウトが発生したりしないように、リッチコンテンツがスムーズに読み込まれるようにする必要があります。自宅でスポーツカーについて調べているときでも、食事の計画を立てているときも、ページの読み込みに数秒以上かかってしまうなら誰も待ってはくれません。レシピページの読み込みや自動車のレビュー動画のダウンロードに時間がかかれば、サイトから離れていってしまう可能性があります。Editoriale Domus にとっては、速度と応答性が最優先事項なのです。
トラフィックが倍増しても、Akamai のおかげでパフォーマンスが劇的に向上
イタリアで COVID-19 のパンデミックが猛威を振るい、ロックダウン体制に移行すると、それまで徐々に進んでいたデジタル化の流れが一気に加速しました。他の出版社と同様に、Editoriale Domus も Web サイトのトラフィックが急増し、特に人気の高いレシピサイトである cucchiaio.it は激しく増加しました。
レストランが閉まっていたため、人々が家で料理をする機会が増え、多くの人にとって料理が気晴らしになり、料理に対する探求心が強まっていたのです。イタリアだけでなく世界中のキッチンは、焼きたてのパンや茹でたてのパスタ、手作りのデザートの香りで満たされていました。新しいレシピを試そうと料理愛好家が Il Cucchiaio D'argento の Web サイトに押し寄せたため、トラフィックはほぼ一晩のうちに 2 倍になりました。
まさに Editoriale Domus にとって正念場だったということになります。しかし、Akamai との長年の付き合いで、デジタルの波が押し寄せてきても Web サイトはびくともしないことがわかっていたため、Web ユーザーのトラフィックが増えても心配はありませんでした。
「Akamai のおかげで、インフラを変更しなくても、簡単にトラフィックの増加に対応できました」と、Editoriale Domus 社の Platform and Service Manager である Gianfranco Ferracci 氏は述べています。「コンテンツの配信が速くなったため、広告の量を増やし、ビジネスの収益を上げるとともに、サイトを訪問したお客様に高速で楽しい体験を届けられるようになりました」。
コンテンツの配信が速くなったため、広告の量を増やし、ビジネスの収益を上げるとともに、サイトを訪問したお客様に高速で楽しい体験を届けられるようになりました。
Platform and Service Manager、Gianfranco Ferracci 氏
Ferracci 氏は Web インフラの責任者であり、インフラが同社のデジタルイニシアティブを支えられるように努めています。Editoriale Domus に入社したのは 5 年前ですが、その時すでに会社は Akamai に投資していました。彼が知る限り、製品や Akamai のチームが期待に応えられなかったことは一度もありませんでした。
「Akamai の Dynamic Site Accelerator (DSA)と Image & Video Managerの応答時間は常に驚異的でした」と Ferracci 氏と述べています。「Akamai によって得られるパフォーマンスと管理の容易さが、Akamai を長年信頼してきた主な理由です」。
Ferracci 氏は、コストの見直しを図るために、再度 Akamai に相談しました。Akamai チームは Editoriale Domus と緊密に連携し、すぐに解決策を見出しました。オリジンのイーグレス(内→外方向の)トラフィックが多いため、同社のイーグレスコストが押し上げられていたのです。そこで Akamai は、DSA のクラウドファーストの機能である Google Cloud Platform(GCP)Interconnect を使用したところ、Editoriale Domus のコスト削減の効果がすぐに現れました。
Ferracci 氏は次のように述べています。「オリジンのイーグレス(内→外方向の)トラフィックを Akamai コンテンツ・デリバリー・ネットワーク経由で再ルーティングすることで、当社の Web トラフィックの大部分を減らすことができました。これにより、イーグレス(内→外方向の)コストが 35% 削減され、毎年何千ユーロも節約できるようになりました」。GCP Interconnect は Akamai の最新機能の 1 つであり、クラウドに移行する企業が増えているなか、お客様がクラウド導入を管理できるように支援します。Google Cloud との直接接続を確立することで、Editoriale Domus はオリジンのトラフィックの交換をよりきめ細かく制御できるようになり、Akamai を介してトラフィックをルーティングしてコストを削減し、パフォーマンスを向上させることができました。
Akamai と連携しながらデジタル化を推進する Editoriale Domus
トラフィック量が増加しても、Akamai が裏で支えてくれているため、Editoriale Domus の資産を利用するユーザーは、あらゆるデバイスで没入型のインタラクティブなコンテンツを迅速かつシームレスに体験することができます。つまり人々は、洗練度を増していくデジタル体験を通して、夕食用の新しいレシピを見つけたり、夢の車を探したりできるということです。
Akamai は、どのような状況であっても、当社が読者にプレミアムなデジタル体験を提供できるよう支援してくれます。そのおかげで成功への道筋を踏み外すことはありません
Platform and Service Manager、Gianfranco Ferracci 氏
Akamai の力を借りて、Editoriale Domus は配信を高速化し、コストの削減が可能な領域を新たに見つけることができるようになり、あらゆるレベルで進化し続けることが容易になりました。また、コンテンツ配信の高速化により、広告のインプレッション数が増加し、インプレッション単価(CPM)が上昇し、広告主の広告収入が増加しました。コンテンツパブリッシャーは、コンテンツ・デリバリー・ネットワークを介して、より早く更新情報をプッシュすることができます。これは、タイムリーで正確な情報を継続的に Web サイトに掲載するうえで非常に重要です。また、システムエンジニアは簡単に新しい Web サイトを追加したり、その設定を変更したりできるため、Akamai でパフォーマンスをテストするようにステージング環境を設定することができます。
このように管理が容易なため、Editoriale Domus は顧客向けの優れたデジタル体験を創出するという最大のチャンスがある分野に対して集中的にイノベーションと投資を行うことができました。
「困難な時期ですが、今後もデジタル変革を推し進めていきます。それが、この市場で成功と勝利を収める最善の方法だからです」と Ferracci 氏は述べています。「当社は Akamai と協力して Quattroruote 誌のプレミアム購読を開始しています。専門的で内容の濃い有料コンテンツをご用意するとともに、できる限り最高のパフォーマンスでコンテンツをご覧いただけるように努めています」。
このプレミアムなオンライン体験により、Editoriale Domus は 90 年にわたる成功の歴史をさらに継続させています。よりリッチなコンテンツを追加して顧客エンゲージメントを高めており、Akamai がその後ろ盾となっています。
「Akamai は応答性に優れた戦略的なテクノロジーパートナーであり、デジタル変革の推進を支援してくれます」と Ferracci 氏は語ります。「Akamai は、どのような状況であっても、当社が読者にプレミアムなデジタル体験を提供できるよう支援してくれます。そのおかげで成功への道筋を踏み外すことはありません」。
Editoriale Domus について
1929 年の創業以来、Editoriale Domus は、交通、建築、デザイン、旅行、料理をテーマにした最高の製品、サービス、体験を提供することで、夢を形作ってきました。その独自のノウハウは、メディア企業から、地域社会とステークホルダーの両方にとって価値のある情報、教育、エンターテインメント企業へと躍進するうえで身に付いたものです。その成功を支えているのは社員の情熱です。社員が一丸となって、価値観と専門知識を分かち合い、日々の変化に挑戦し続けています。https://www.edidomus.it/