October Announcement Day 2 — デリバリー製品の最新情報
Akamai プラットフォームアップデートへようこそ!
本日は Akamai のデリバリー製品を取り上げます。過去数か月はまさに、前例がないとしか言いようのない状況でした。ロックダウン、隔離、そして政府や組織が実施したその他の保護対策によってユーザーの行動が劇的に変化し、その結果、インターネットのトラフィックが途方もないレベルへと増大しました。Akamai の重要性がこれほど明確に示されたことはなかったでしょう。企業は事業を継続するため、そしてオンライン視聴者からの未曽有のトラフィック需要に対応するために、今後もインテリジェントなエッジプラットフォームを必要とします。
Akamai の包括的なコンテンツ配信製品(Ion、Adaptive Media Delivery、Download Delivery など)は、Web サイト、アプリ、API、動画、ソフトウェア、スモールオブジェクトなど、どのようなタイプのコンテンツであっても、場所、デバイス、ネットワークを問わず、すべてのユーザーに優れたデジタル体験を提供するように設計されています。
Akamai プラットフォームのピークトラフィックは、第 2 四半期になって毎日 100 テラビット/秒を超えています。当社の歴史上、トラフィックが 100 Tbps の大台を初めて超えたのは 2019 年 10 月のことです。膨大なキャパシティを持つ Akamai Intelligent Edge Platform は、他に類をみない規模と、業界をリードするパフォーマンスと信頼性により、パンデミック下の世界数十億人の人々にそのメリットを提供してきました。この時期に Akamai は、さまざまな大規模な動画配信(OTT:Over The Top)サービスのローンチや、ゲームおよびソフトウェアのリリースを支援するとともに、組織におけるデジタル変革の促進やテレワークへの適応をサポートしてきました。Akamai Intelligent Edge Platform は世界で最も広く普及している CDN です。その規模は世界 4,000 か所の 30 万台以上のサーバーや、世界中の 1,500 に及ぶネットワークにまで拡大しています。これにより、視聴者に近い場所から最小限のレイテンシー(遅延)、かつ最高レベルの品質で配信することが可能となっています。
お知らせ
クラウドの接続性 -- 本日は Akamai のクラウド関連のプランを 3 つご紹介します。
- Akamai の Cloud Wrapper にマルチ CDN サポートが追加されることで、複数のCDN利用下でも、コンテンツ配信の高いオフロード率を維持しながら、オリジンサーバーを収容するクラウドからのデータ転送量を軽減することが可能となります。すべてのメディア配信トラフィックに 1 つのハブで対応できます。
- セルフサービスのインターコネクトによって GCP との統合を提供する Google Cloud Platform(GCP)Interconnect によって、クラウドのデータ転送コストを軽減するメリットが追加されます。
- Akamai の新たな Cloud Access Manager により、GCP または AWS オリジンの認証がこれまでより容易になり、かつセキュリティも強化されます。すべてのクラウド・ストレージ・キーが 1 か所で管理可能になります。
これらのロードマップでは、お客様のクラウド・サービス・プロバイダーとの直接的な連携を通じ、コストの軽減や認証統合の合理化を可能にするとともに、マルチオリジンおよびマルチ CDN アーキテクチャに必要な柔軟性も提供できます。
ライブストリーミング-- ライブストリーミングにとって来年は大きな 1 年になりそうです。これを念頭に、Akamai は 2020 年の多くを、ライブストリーミングの急拡大に対応するお客様に役立つ新機能の準備に費やしてきました。このプラットフォーム更新の一環として、Akamai は、Low-Latency HLS のサポートなど、ライブストリーミング関連の機能をいくつか発表します。この新たな仕様は、ユーザーに、エンドツーエンドレイテンシー 3 秒以下と、Apple 動画プレーヤーエコシステムの後方互換性を提供することを目的としています。これにより、最も人気のあるストリーミング形式として、低遅延ライブストリーミングの普及が進むと思われます。開発者に役立つ新たな Media Services API は、Akamai Intelligent Edge Platform でのライブ・ストリーミング・ワークフローの設定プロセスを自動化します。Akamai の Access Revocation は、「防御、検知、措置」という Akamai のコンテンツセキュリティ対策の中核をなす仕組みに基づき、コンテンツの権利所有者に不正な動画ストリームを阻止する能力を提供します。最新バージョンは、拡張性が大きく改善され、大規模な視聴者への対応や、取り消し応答の高速化が追加されています。これにより、不正なストリームや共有ストリームに対する措置のスケーラビリティが向上します。Akamai はすでにライブストリーミングの今後の急拡大に対応し、お客様の成功をサポートできる体制を整えています。
mPulse -- Akamai のリアルユーザーモニタリングソリューションに対するプラットフォームのアップデートでは、12 を超える新たな指標が取得できるようになりました。これらの指標は、実際のユーザー体験を理解するために役立ちます。新たな指標のうち最も注目すべき内容は、Google の Web Vitals のサポートです。Google は、2021 年に向けて新たにアルゴリズムの更新を進めていくと発表しましたが、こちらの発表には、Google がサイトパフォーマンスの健全性を表す検索ランキングシグナルとしてWeb Vitalsを使用する内容が含まれています。Google は、これらの新たな指標を、「重要なユーザー体験特性を数値化するユーザー中心の実際的な指標」と表現しています。今回 mPulse には Core Web Vitals を構成している 3 つの計測指標のサポートが追加されます。それらは、読み込み時間を測る Largest Contentful Paint (LCP)、インタラクティブ性を測る First Input Delay(FID)、視覚的な安定性を測る Cumulative Layout Shift(CLS)です。詳しくは、Akamai の記事、Measuring & Improving Core Web Vitals の「Core Web Vitals サポート」をご覧ください。また、mPulse のすべての新機能に関する詳細は、Akamai のブログ投稿、Dimensions, Timers and Metrics:What's New in mPulse in 2020 をご覧ください。
ご利用中の製品の新機能については、こちらでご確認いただけます。
Adaptive Media Delivery
Akamai のストリーミング・メディア・デリバリー製品である Adaptive Media Delivery に、大規模なストリーミング動画の配信を最適化する改善が導入されます。これらは、新たな低レイテンシーのライブ・ストリーミング・プロトコルのサポートや、データ転送料金の軽減につながる Azure オリジンとの接続性の改善、Akamai のクラウド・コンピューティング・ソリューション EdgeWorkers のサポートなどです。
主要な機能 |
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Low-Latency HLS のサポート |
スケーラブルな低レイテンシーのライブストリーミング配信を可能にする Apple の最新の HLS プロトコルをサポートします。 |
DASH マニフェストのパーソナル化サポート |
エッジで DASH マニフェストを動的にパーソナライズし、視聴者に応答するビットレートラダーを最適化します。 |
Access Revocation |
許可されていないユーザーによる不正な動画視聴を、セッション単位で無効化します。 |
Azure Cloud Interconnect |
Akamai Intelligent Edge Platform と Azure オリジン間のプライベート接続を提供することで、パフォーマンスの信頼性を高めて、クラウドのデータ転送コストを削減します。 |
EdgeWorkers のサポート |
Adaptive Media Delivery での EdgeWorkers のサポートが追加されます。 |
Akamai Control Center
Akamai Control Center のレポート機能が改善され、すべての Akamai 製品について、利用率、オフロード率、課金、Akamai API 利用状況に対する可視性が向上します。
主要な機能 |
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Reporting Overview |
Akamai ポートフォリオ全体で顧客ごとに該当するすべてのレポートを集約します。 |
Reporting Homepage Card |
過去 24 時間のトラフィックおよびオフロード率の概要が表示されます。 |
請求処理 |
利用明細を細かく示すことで、顧客は請求内容を理解しやすくなります。 |
API 使用状況レポート |
アカウントとユーザーレベルでの Akamai API コールおよびイベントの使用状況に対する可視性が得られます |
CloudTest
グローバルな負荷テストプラットフォームの CloudTest に対するアップデートには、新しい API の導入、AWS と Azure のサポート強化、複数の改善とバグ修正が含まれます。
主要な機能 |
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CloudTest 構成インスタンス API:REST API を使用して、テストを再生、一時停止、再開、停止します。 テスト結果クエリAPI:REST API を使用して、テスト結果を非同期的に取得、管理、削除します。 |
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AWS と Azure で利用可能なロケーションのリストを拡大し、新しいインスタンスタイプのサイズとクラスに対応します。 |
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HTTP アーカイブ(HAR)形式でのインポートとエクスポート、テスト実行中のテストプロパティの変更に対応し、読み込み時間とデータ処理時間が短縮されます。
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Cloud Wrapper
Cloud Wrapper で追加される運用面の改善とマルチ CDN サポートにより、顧客は、キャッシュの共有化、予測可能なオフロードレベル、ますます複雑になるオープンなライブ・ストリーミング・アーキテクチャ内でのオリジンインフラのコスト削減を達成できます。
主要な機能 |
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マルチ CDN サポート |
クラウド・キャッシング・レイヤーを提供し、マルチ CDN インフラのサポートとともに、データ転送コストを削減します。 |
レポート作成 |
Akamai Control Center の新しいレポートダッシュボードにより、オフロードやフットプリント構成のための他の統計情報を確認できます。 |
プロビジョニングの強化 |
Property Manager で Cloud Wrapper をサポートすることで、顧客は Akamai Control Center 内でフットプリント構成をプロビジョニング、有効化、管理できます。 |
Download Delivery
Download Delivery により、Azure オリジンとの接続性が改善され、顧客はデータ転送コストを削減できます。さらに、EdgeWorkers、Akamai のクラウド・コンピューティング・ソリューションのサポートが追加されます。
主要な機能 |
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Azure Cloud Interconnect |
Akamai Intelligent Edge Platform と Azure オリジン間のプライベート接続を提供することで、パフォーマンスの信頼性を高めて、クラウドのデータ転送コストを削減します。 |
EdgeWorkers のサポート |
Adaptive Media Delivery での EdgeWorkers のサポートが追加されます。 |
Ion
Akamai のIon はWeb サイトおよびアプリケーションパフォーマンス向けのフラッグシップソリューションです。クラウドオリジンとの接続性が改善され、顧客はクラウドのデータ転送コストを削減できます。新しいプロパティの製品セットアップおよび設定手順が改良され、簡単かつ直感的な操作で最初から最適なパフォーマンスが得られます。他の追加機能により、顧客セグメントのパフォーマンスと運用性が向上します。
主要な機能 |
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設定の強化 |
Akamai Control Center で行える製品設定を分かりやすく分類しました。 |
Cloud Access Manager |
Akamai のキー管理インフラストラクチャ(KMI)を使用して、AWS と GCP オリジンの認証キーを安全に管理できるようになりました。 |
Google Cloud Platform(GCP)の相互接続 |
Akamai Iintelligent Edge Platform と GCP オリジン間のプライベート接続を提供することで、パフォーマンスの信頼性を高めて、クラウドのデータ転送コストを削減します。 |
パフォーマンスポリシーのボットフィルタリング |
ボットフィルタリング機能により Adaptive Acceleration でボットデータを除外するようにしました。 |
S-Maxage |
s-maxage ヘッダーを使用してマルチ CDN 展開での管理を簡素化します。 |
Edge サーバーの改善 |
リクエストの処理フローを改善し、Time to First Byte(TTFB)を最大で 20% 短縮します |
スクリプト管理のSPOF 通知 |
サードパーティスクリプトのエンドユーザーへの読み込みが予想より時間がかかったことが原因で単一故障点イベントが発生した場合に、Akamai Control Center に通知します。 |
スクリプト管理に関する知見のエクスポート |
スクリプト管理ダッシュボードから詳細な知見をエクスポートできるようになりました。 |
SameSite Cookie のサポート |
エンドユーザーのプライバシーをさらに保護するために、現在および今後のブラウザーリリースに追加される SameSite Cookie をサポートします。 |
Media Services Live
Media Services Live の機能が追加され、開発者向けのライブストリーミング動画ワークフローのプロビジョニングが簡素化されました。さらに、ポストプロダクションでハイライトとクリップの作成およびアーカイブが可能になり、スケーラブルな低レイテンシーのライブストリームが実現できます。まったく新しい Media Services Live 機能の詳細については、こちらのブログ特集記事で確認できます。
主要な機能 |
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ライブクリッピング |
ライブストリームから臨機応変にクリップを生成し、クリップ生成のライブ・ストリーミング・ワークフローへの統合もサポートされます。 |
インスタント TV |
イベントの開始時間を選択することで、エンコーダーの変更なしでライブ・ストリーム・セグメントを動的に作成することができ、顧客はライブイベントの「やり直し」や「再開」が容易になります。 |
Chunked Transfer Encoding のサポート |
Chunked Transfer Encoding と業界最先端のフォーマット(CMAF、HLS、DASH)を使用したスケーラブルな低レイテンシーのストリーミングサポートを提供します。 |
Media Services Live API |
Media Services Live のプロビジョニングプロセスを簡素化するように設計された新しい API です。 |
mPulse
リアルユーザーモニタリングソリューションの mPulse に対するプラットフォームアップデートでは、Google の Core Web Vitals を含む12 を超える新しい指標の導入や、新しい mPulse グラフィカル・ユーザー・インターフェースがアップデート、されました。すべての新機能については、Akamai のブログ特集記事「Dimensions, Timers and Metrics: What's New in mPulse in 2020」をご覧ください。
主要な機能 |
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Google Core Web Vitals の指標 |
Core Web Vitals は、Largest Contentful Paint(LCP)、First Input Delay(FID)、Cumulative Layout Shift(CLS)で構成されるWeb での優れたユーザー体験を提供するための不可欠な指標として、Googleが取り組む指標となります。Akamai の詳細なブログ記事「Measuring & Improving Core Web Vitals」をご覧ください。 |
新しい指標 |
Core Web Vitals とともに、今回のアップデートでは、リアルなユーザー体験の理解を深めるための新たな指標セットが導入されています(Rage Clicks、Entrance Page、Service Worker Startup Time、Total Blocking Time、Redirect Time Waiting Time、Download Time、Unload Time、Early Beacon、Visibility State、Navigation Type、Akamai Property Version)。 |
新しいグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI) |
ユースケースに合わせて専用設計され、一般的な DPM ユースケースのワークフローを合理化する新しい GUI が導入されました。 |
では Day 3 と Day 4 にもご期待ください。セキュリティの新機能について説明します。