TrafficPeak が優れたフットボール観戦体験の提供をサポート

Akamai にとって一年で最も重要なイベントには、大規模なスポーツイベント、特に一年で最大のフットボールの試合が含まれます。最大手のメディア企業が、弊社のソリューションを使用して、世界中の視聴者に試合をストリーミング配信します。バッファリングや停止に悩まされることなくどの視聴者も試合を楽しめるようにするために、Akamai は詳細なデータをリアルタイムで収集する必要があります。

今年最後のフットボールの試合は、かつてないほど大規模でした。平均視聴者数は約 1 億 2,400 万人で、アポロ 11 号の月面着陸以来、最も視聴者数の多い生放送イベントだったと言われています。 ストリーミングメディア や放送局は Akamai の顧客の中でも最も規模が大きく、イベントでその顧客を輝かせることが弊社の最優先事項でした。

あるメディアプロバイダーのために、Akamai のチームは CDN ログをクエリーする必要があり、そのためには数秒でデータを取得しなければなりませんでした。残念ながら、 DataStream 2 と CMCD のデータの収集と分析には、ピークトラフィック時で 20 分かかっていました。大きな試合などのライブイベントでは、20 分は長すぎます。

視聴者が影響を受ける前にパフォーマンスとセキュリティの問題を迅速に緩和するためには、データに基づいた知見をリアルタイムで確保する必要がありました。Akamai は、より簡単にエラーを発見して修正するために、地域、都市、州、自律システム番号（ASN）、サーバーの詳細などのデータを、単一のビューで、リアルタイムで収集、分析、視覚化する必要がありました。 

1 つのプロバイダーに固有の問題と、ASN ネットワーク全体に拡散している問題を即座に識別できれば、トラフィックを別の地域に移動して伝送への影響を回避するなど、緩和に関する意思決定を迅速に行うことができます。

また、試合後の分析のために、Akamai はパフォーマンスの異常値を調査し、その発信元を確認したいと考えました。そのようにすることで、その影響を明確に把握でき、今後、データに基づいて緩和に関する意思決定を行うことができます。

TrafficPeak は Akamai のマネージド型 可観測性 サービスです。 Hydrolix を利用しているため、ビッグゲームに使用することに何の問題もありません。このサービスは、カスタマイズしても簡単に展開できます。

Akamai は、上位 ASN、応答コード、エラーを中心に視覚化ソリューションを構築しました。配信パフォーマンス指標を確認した結果、一部の地域でパフォーマンスが低下する可能性がありました。たとえば、簡単に都市でフィルタリングして、パフォーマンスは適切か、異常値がないか確認し、視聴者に影響が及ぶ前に修正を適用できました。

TrafficPeak は、カスタマイズの容易さ、リアルタイムデータ、アーキテクチャの 3 つの領域で最も大きな成果を上げました。

技術者である筆者にとって、複雑なクエリーの記述は簡単です。そんな私でも、TrafficPeak を使用すればデータに基づいたあらゆる知見をカスタムダッシュボード上でカスタマイズできることには目を見張ります。

ELK Stack など、データのインジェスト、処理、視覚化のための同様のソリューションが存在しますが、TrafficPeak ほど速くはありません。ピークトラフィック時、Akamai は毎秒約 1,100 万件のレコードを収集し、データを 1 秒以内にスライスしてクエリーを実行します。他のツールでそれほどの速度を再現することは困難です。

TrafficPeak は Kubernetes内に配置するように設計されています。Kubernetes ユーザーである筆者は、サービスをスケーリングする方法や分散する方法を理解しています。この設計は、クラウド展開に最適です。ソフトウェア設計とバックエンドアーキテクチャについて考え抜かれていることは明らかです。

ビッグゲームは成功を収めました。Akamai は 530 億件のレコードを収集し、41 テラバイトの生データを 5.76 テラバイトの圧縮データに変換して保存しました。エラー数が少なかったため、エラー発生時に TrafficPeak によってリアルタイムで可視化し、すぐに改善することができました。

さらに、すべてのデータを可視化したことが非常に有効でした。一般的に、ライブイベントでは、リアルタイムで何が起こっているかを把握することは困難です。メディア顧客は、ほとんどのユーザーがレンディションラダーの最上位にいるようにするために、平均ビットレートなどの指標を必要としています。TrafficPeak がそうした指標を提供したため、リアルタイムで緩和することができました。

イベント終了後、TrafficPeak を使用して、発生したパフォーマンスの問題について調査しました。調査結果から、同様の問題をより適切に特定するためにフィルターを書き換えるなど、今後に向けて改善できる領域が明らかになりました。同じ問題が再発しないよう、今後のイベントに適したフィルターを作成する方法を把握することができました。