ビッグゲームを制したメディアプロバイダー

ストリーミング・メディア・プロバイダーや放送局が大規模なスポーツイベントをオンラインで配信する場合、成功とは、その場の問題や潜在的な問題をイベント中にトラブルシューティングすることを意味します。大手メディアプロバイダーが、毎年開かれる最大規模のスポーツイベントの 1 つを、1 億 2,400 万人もの視聴者に確実に配信できるようにするために、Akamai は Hydrolix が提供する、マネージド型の可観測性サービスである TrafficPeakを利用しました。ストリーミングデータをリアルタイムで可視化することで、Akamai は地域間でトラフィックのバランスを調整し、視聴者の期待を上回るスムーズで信頼性の高い体験を実現しました。

ライブイベント中に問題を確認して把握するのは困難な作業です。このメディアプロバイダーは、即座にトラフィックの知見を得る必要がありました。視聴者が被害を受ける前に、パフォーマンスとセキュリティの問題に対処するためです。特に、地理、都市、状態、自律システム番号（ASN）、サーバーの詳細などのデータを、ピークトラフィック時に迅速に収集、リアルタイムで素早く分析、そして単一ビューで即座に視覚化する機能を必要としていました。

そこで、このメディアプロバイダーは Akamai に支援を求めました。要件を満たすために、Akamai は数秒で CDN ログをクエリーする必要がありました。しかし、ピークトラフィック時の場合、DataStream 2 データと Common Media Client Data の収集と分析に 20 分掛かってしまっていました。この大規模なイベントにとっては余りにも遅すぎます。

Akamai は、速度が十分ではなかった Elk Stack のようなソリューションを選択する代わりに、TrafficPeak 可観測性プラットフォームを活用して、メディアプロバイダーがストリーミング視聴者の期待に確実に応えられるようにしました。TrafficPeak は、インテリジェントなデータ管理機能を備えており、使いやすいソリューションとカスタマイズ可能なダッシュボードで、メディアプロバイダーのニーズに完璧に応えます。

TrafficPeak は Akamai Connected Cloud上で稼働しているため、他のソリューションの数分の 1 のコストで、膨大な量のデータを長期間インジェスト、クエリー、保持することができます。さらに、フルマネージドサービスとして、大規模なデータ量の管理と分析に必要なリソースを抑えることができます。

上位 ASN、応答コード、エラー周りを可視化した後、Akamai は平均ビットレートなどの配信パフォーマンス指標を監視できました。トラフィックのピーク時、TrafficPeak は毎秒約 1,100 万件のレコードを収集し、データを 1 秒以内にスライスしてクエリーを実行します。Akamai は膨大なデータ量をリアルタイムで処理することで、問題とその発生場所を迅速に特定できました。

プロバイダー固有の問題と ASN ネットワークに影響を与える問題とを即座に区別することで、潜在的な問題を迅速に緩和することもできました。たとえば、ある地域でパフォーマンスが低下した際、視聴者が影響を受ける前にトラフィックを再ルーティングしました。さらに、TrafficPeak はエラーをリアルタイムで可視化するため、Akamai はその場で対応できました。

メディアプロバイダーは、試合がある日のデータをリアルタイムで可視化することに加え、試合後の分析のためにデータを低コストで保存することもできます。TrafficPeak は全体で 530 億件のレコードを収集し、41 テラバイトの未加工データを 6 テラバイト未満の圧縮データにして保存しました。

TrafficPeak を使って試合後の分析を行うことで、Akamai はパフォーマンスの外れ値を掘り下げ、その原因を特定し、その影響を明確に理解することができました。Akamai がこうした知見を共有することで、メディアプロバイダーは今後のイベントでこのような問題を事前に緩和できるようにしました。