API 探索が必要な 5 つの理由
2024 年 6 月、Akamai は Noname Security を買収しました。これは 2023 年 4 月 11 日に公開され、現在アーカイブされているブログ記事です。
デジタル時代において企業が競争力を維持するためには、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)の重要性がますます高まっています。しかし、適切に保護されていないと、悪性の脅威に対して脆弱になる可能性もあります。そのため、企業は API のセキュリティ体制を強化し、潜在的な脆弱性に対処するための対策を講じることが不可欠です。
つまり、API の数が増加するにつれ、それらがどのように使用されているかを確認する必要性も高まるということです。これは主に、API スプロールという現象を回避するためです。API スプロールとは、適切なドキュメントが無かったり、管理の行き届いていない API の数が増加することを指します。API スプロールが発生すると、API の管理を複雑化させかねず、開発者が作成したすべての API の追跡が困難になります。つまり、攻撃に対して脆弱である可能性がある、セキュリティ保護されていない、または設定が不適切な多数の API の存在に、開発者が気づいていない可能性が高いという意味です。
API 探索は、この問題に対処するための重要なツールであり、組織が手動では実行不可能な方法で API の利用状況を監視できるようになります。API 探索について耳慣れない方もおられるかもしれませんが、これは組織内の API を特定し、存在するすべての API を把握するためのプロセスです。これにより、組織は潜在的な問題を事前に特定し、対処できます。そうすることで、大きな問題に発展したり、混乱やダウンタイムを引き起こす前に問題に対処できます。
状況をシンプル化するために、API 探索の多くの利点を、なぜ必要なのかという 5 つの主な理由にまとめました。
- 可視性の向上
- 開発者体験の向上
- 効率的な API 管理
- セキュリティとコンプライアンスの強化
- 脆弱性管理のシンプル化
このブログ記事では、検討すべき技術的な要因とビジネス上の要因の両方と、学習を継続するための次のステップについて説明します。
理由 1 – 可視性の向上
API の可視性は、あらゆる組織にとって成功の決め手となる重要な要素です。可視性が高まれば、API スプロールを管理し、削減することが容易になります。ここに、適切な API 探索ツールが即座に ROI につながる理由があります。組織が API を迅速に発見できるようにして、時間とコストの削減を支援すると同時に、API のセキュリティ、信頼性、最新性を確保します。
API の可視性を高めれば、組織は API の利用増加と顧客体験の向上というメリットを得られます。API を再利用すれば、悪用される可能性のある新しいオーダーメイドの API を次々と開発する必要がなくなるため、アタックサーフェスが小さくなり、API の再利用によるメリットが得られます。また、この方がガバナンスの実施も容易になります。可視性が向上すれば、組織は自社の API がどのように利用されているかをより深く理解でき、変更や更新が本稼働システムに予期せぬ影響を及ぼさないようにできます。
理由 2 – 開発者体験の向上
開発者は、すべての成功するソフトウェア製品の要です。開発者の体験とエンゲージメントが向上すれば、API を容易に発見できるだけでなく、関連ドキュメントへのアクセスや、必要に応じた適切なサポートの入手も容易になります。その結果、時間の節約だけでなく、生産性の向上と開発コストの削減も実現します。
開発者により良い体験とエンゲージメントを提供して、各企業はイノベーションを促進し、創造性を奨励できる、より協力的な環境を作り出すことができます。開発者体験の向上により、自社の製品が市場の最新技術やトレンドに合わせた最新の状態で維持されていることにも確信が持てるようになります。これは、競合他社の一歩先をいくと同時に、顧客に高品質な製品を提供することにもつながります。
理由 3 – 効率的な API 管理
多くの場合見落とされがちですが、API のセキュリティ体制において非常に重要となるのが、API の管理と保守です。API 探索ツールを使用すれば、開発者は API を簡単に管理できます。どのように?簡単に言えば、見つけられるから、です。API を簡単に見つけられれば、開発者は API を再利用することが容易になり、アプリケーションとの同期を維持しやすくなります。その結果、保守コストを削減し、パフォーマンスを向上させられます。
また、API 探索ツールを使用すると、開発者はさまざまな方法で保守プロセスを合理化できます。繰り返しになりますが、すべては API が可視化されているからこそ可能なのです。API が可視化されれば、開発者は、API のセキュリティと信頼性を確保しながら、開発の他の部分に集中できます。
理由 4 - セキュリティとコンプライアンスの強化
セキュリティとコンプライアンスの確保は、あらゆるビジネスにおいて不可欠な要素です。セキュリティが確保された API を利用して、企業はデータを確実に保護できます。そして、すでに述べたように、最初のステップは、自社が利用している API を把握することです。そうして初めて、権限のある人々がそれらにアクセスし、可能な限り最もセキュリティが確保された方法でそれらを使用していることを確認できます。
この点を踏まえると、データプライバシーや規制コンプライアンスの観点では、堅牢な API 探索ツールのさらなる利点としてデータ分類が挙げられます。API を介してやり取りされるデータのタイプや、それらのデータを使用するユーザーに関する知見を提供できるため、GDPR、CCPA、HIPAA、PCI DSS など、さまざまなコンプライアンス要件を満たす上で役立ちます。つまり、データフローが企業ポリシーや業界規制に違反していないかどうかをリアルタイムで確認できるということです。
理由 5 – 脆弱性管理のシンプル化
脆弱性管理は、あらゆる組織のセキュリティ戦略において不可欠な要素です。脆弱性管理によって、セキュリティ上の問題が重大になる前に、その問題を特定し、修正できます。API 探索を活用して、組織は脆弱性管理プロセスをシンプル化し、API の欠陥や設定ミスを迅速に発見できます。
理想を言えば、API 探索ツールを単独で展開するのではなく、体制管理ソリューションの一部として展開し、ランタイム保護ツールを併用する方が望ましいでしょう。結果的に、この 2 つが連携し、稼働中の API を特定して保護することが可能になります。それでも、API 探索は、この脆弱性管理の考え方において依然として重要な要素です。
API 探索のメリットを最大限に活用する
潜在的な脅威からビジネスと顧客を守るためには、API セキュリティを強化する対策が重要です。これには、API に存在する可能性のあるさまざまな脆弱性への対処が含まれます。そして、すでに見てきたように、API 探索なしには不可能です。API 探索は、API セキュリティの強化に向けた第一歩なのです。